Antithesis / synthesis

完成しました。記号株式会社のブランドブック。

会社の世界観、メッセージ、コンセプト、その他重要なエッセンスだけをぎゅっと凝縮させたものでして、どこを切ってもKIGOを感じる一冊に仕上がっていると思います。人によっては強いコントラストを感じるでしょうし、状態によってはシンメトリーにも映るでしょう。

狙いや目的、役割としては3つあります。

ひとつは、会社のトーン&マナーとして。記号株式会社としての基準を明確にする事を心がけました。ビジネスパートナーやプロジェクトメンバーと仕事をご一緒する際、またクライアントにサービスやプロダクトを提供する際、会社としてどのようなトーン&マナーを掲げているのかを明確に示しています。記号株式会社としての規律、価値観の表明とも言えるでしょう。

ふたつ目は社会へのメッセージとして。社会にとってどんな存在なのか、どのような役割があるのか、存在意義は何なんだという問いに応えたもの。会社としての在り方や方向性を感じることと思います。今まで育んできた知性、大切にしている理性、溢れる感情を高い次元で止揚したメッセージ。どんな主張を持って問題提起をしているのか、会社の想いとプライドを犠牲にせず、かつ現代社会へのコミュニケーションも忘れず、テーゼを投げかけています。未来へ向けた新しい提案を感じてもらえたら嬉しいです。

そして、最後みっつ目は手に取った人に希望を与えるということ。私たちはバルバロイではなく自由人です。ただ、言いたいことだけを言いっぱなしにする幼稚な設計にはしておりません。深みと奥行きのある構造を感じることと思います。タイミングや相性、心身の状態や抽象度、レイヤーの関係で、もしかしたら、難解に感じさせてしまう場合もあるかも知れません。それでも手にとった人がざわざわと感じ、何かしらの勇気と希望を感じてもらうということは常に根底においていました。

私たちはこのブランドブックで理解も共感も求めていません。なぜなら中心にあるのはあなた自身だからです。ファイティングポーズを解かない姿勢、妥協しない意思、チャレンジする意欲を示す事で、創発を促し、結果的に新たな秩序、道が生まれることを望んでいます。囚われを解放し、自分たちならではの“記号”を運用することの大切さを一緒に育んでいきたいからです。

そのために、未来にとって少しでもプラスになるきっかけとなる事を意識しました。おお、ここまでやっていいのか、みたいな声も聞こえてきます。商業誌や一般誌では決してできないような、チャレンジングな事をしつつエレガントに着地させるためには、まずはフルスイングありき。

無邪気で全力で遊んでいるエネルギー溢れる子どものようであり、貴重な知見と経験を高い次元でアウフヘーベンさせている老人のようでもあり、男臭さも女性の艶めかしさも内包したジェンダーも感じ、相反する矛盾の統合を体験できると思います。やり過ぎでもなく、かと言って遠慮もない。立体的で過不足もない静かな力強さからは生命力と愛情を感じてもらえる事と思います。そう、まるで生き物のようです。

最後に、記号株式会社としてのブランドをこのようなに生み出して形にしてくれたクリエイティブディレクターに感謝と敬意を示したいと思います。物語が物語を描いていくメタ的な構造はアートではなく真のクリエイティブなのです。少なくとも私たちはそう考えて未来を見据えています。

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