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「空を飛びたいなら、あなたを地上に引き留めている些細なものを諦めることだ」

とトニ・モリスンは言いました。学生に紹介する小説がないと仲間に打ち明けたら、自分で書いちゃえばと言われて書いた作品が黒人初のノーベル賞をとったという逸話も素晴らしいのですが、後続の黒人作家としての道を切り拓いたこと。そのフロンティア・スピリッツと社会に与えた影響に私は尊敬と敬意を表します。

このようなご時世ということもあって、なかなか一歩を踏み出せないという相談を受けます。やったらいいのだろうけど、メンタルブロックが起きてしまう。二の足を踏む気持ちもわかりますが、現実は待ってくれません。私たちにはどんな備えが必要でしょうか。

まずは、自分が想像しうる最高の状態と最低な状態を想定しておきましょう。最低最悪な状態を出来るだけ具体的に想定して今考えられるできる限りの準備をしておくことです。現実主義は楽観主義と悲観主義の中間にあるのですから。

一歩を踏み出したあと、事前に「継続できなかった場合」について考えておくのです。その仕事を、その事業を、そのチャレンジを続けられない理由は何でしょうか。分解してみましょう。積極的にやりたくないと反発心が出ているのか、消極的にやりたくないと倦怠感があるのか、やりたいけど何らかの要因でやれないのか、まずは分けて考えることが大切です。

とにかく頑張ればいいという根性論になりがちですが、それは難しい。力業でクリアになるのならどんどん頑張ればいいと私も思うのですが、がむしゃらにやっても解決しないものもあるのです。ですから、モチベーションが高まっているときほど、冷静にブレイクダウンして準備をしておくことが必要だと感じます。これが現実主義の在り方です。焦ってすぐに答えを求めてはいけません。上手くいっている時こそ、リスクヘッジの備えに注力していくと良いと考えています。

事前の計画9割、実際の行動1割。

リソースの配分において、大切な指標です。受けてきた学校教育に作られた癖により、我々日本人は問題を解くことが得意と言われいます。逆にいえばアジェンダの設定が苦手だともいえます。ほとんどの人は1割で考えて、9割解こうとするから明後日の方向に行ってしまいがち。いきなり9割のリソースに変換できるかもしれませんは、1割しか計画に割いて来なかったリソースを2割、3割、4割と増やしていく努力をしてみましょう。

ミーティングでもよくあるでしょう。面白いアイディアはたくさん出たけど、おしゃべりで終わって何も進まなかったみたいな話し合い。場当たり的で慣習的で惰性的な打ち合わせです。中には10割考えて行動できない人もいます。それは考えているのではなく、悩んでいると私たちは見ています。本人は考えいると主張するかもしれませんが、実際は悩んでいるという方が正確な表現かと思います。

悩むことは悩むこと自体に意義があると思いますが、考えることは一定の結論を出すことに意義があります。期限を切らないと永遠に「悩んで」いることが多い。とにかく期限切って悩みましょう。その上で少しずつ考えることにシフトしていくのです。

話を戻しますが、大切なのはアジェンダ(問題)設定です。良いアジェンダには「仮説」が必ず含まれています。仮説を立てるときの注意点です。突き詰めれば現状と理想には特に何も関係がありません。「現状」から自動的に「どうなるか」を考えてはいけません。

思考のスタートは「どうあるべきか」「どうありたいか」。

その後で、どうすればそうなるかを考えるのです。私たちは理想を持ち、制約なくその理想実現に貢献することを「許された」時に飛躍するのですから。作者であり、主人公であれることは私たちに与えられた最大の権限です。

さあ、トニ・モリスンの声が聞こえてきます。今現在あなたを引き留めている些細なものは何ですか。

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