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ビジネスはチェーンに似たシステム。目的や目標を達成するため、チェーンの繋がりを備に観察し、制約条件を見極めることからビジネスの改善がスタートします。

すでに運営されている事業の改善としてビジネスプロセス・インプルーブメントの依頼を頂くこともありますが、逆にビジネスプロセス・リエンジニアリングを提案させてもらうこともよくあります。ボトルネックを特定し、部分部分を改善していくアプローチではなく、ゼロから見直した方が良いでしょうという提案がビジネスプロセス・リエンジニアリングです。ステップを見直して抜本的に再設計していくことで、より少ないコスト・工数で最大の成果が得られることが多いからです。愛着のある事業、思い入れのある商品、苦労して開発したサービスなどになると、なかなか手の引けない経営者、事業オーナー、ビジネスマンの方も多いのが実情です。ですから、私たちのような内部事情を知らない余所者がフェアな視点を持ってゼロベースの提案をさせてもらっています。

ここで共有しておきたいのはリエンジニアリングはすごく重要な施策だけども、社員や現場スタッフに受け入れられないことが多いということです。会社として痛みを伴いより良い歩みを始められるのだろうけど、今の自分の地位を崩したくない、今までのやり方や慣習を変えたくない、これ以上業務を増やしたくないという従業員マインドセットからくる拒否反応に何度も直面してきました。わざわざそんなことしなくていいじゃん、、、みたいな声に掻き消されず力強く進められる経営者ならいいのですが、その摩擦から消極的になって元に戻ってしまうケースもいくつか見てきました。現場と経営陣の軋轢はエネルギーを使いますから。

そんな時、重要になるのはプロジェクトマネジメントです。プロジェクトがいきなり10日間遅れることはなく、1日遅れるには1日遅れる原因が必ずあります。そういった原因を早めに特定し、手を打つこともありますし、完璧になり切らずに不完全な状態で進めて行ったりすることもプロジェクトマネジメントの大切な働きかけです。何千年も前からエジプト人がやってきたプロジェクトマネジメント。せっかくなのでここで定義しておきましょう。

プロジェクト全体が機能するように気を配り、最適な環境作りをし、ベストなパフォーマンスになるよう働きかけること

と私たちは定めています。もう少し噛み砕いてみましょう。プロジェクトマネジメントを担うプロジェクトマネージャーには5つの役割を求めます。

1.コーディネーター
2.コミュニケーター
3.ネゴシエーター
4.プランナー
5.リーダー

この5つです。もちろんこの5つを分けて、それぞれ担当をお願いすることもありますが、少数精鋭のプロジェクトの場合はプロジェクトマネージャーがこの5つの役割を担うことが多いのです。私たちが引き受けることもあります。

リエンジニアリングにおいて実行チームの勝手な現場判断でプランを変えずに、計画チームに戻してフィードバックを得るように調整したり、ステークホルダーと連携を取りプロモーションの交渉をしたり、現場の意見をまとめて経営陣と連携を取ったり、作業を細分化させ、既に存在する複雑さを表面化させたり、ガントチャートやスラックなどのツールを駆使して環境整備し、円滑なコミュニケーションを心がけたり、、、業務は多岐に渡ります。幅広い教養と興味、他人への関心、リスペクトのあるユーティリティプレイヤーが適しています。

かつてマイクロソフトでは5000人の従業員のうち500人がプロジェクトマネージャーだったという話もあるくらいです。社長やマネージャーの時給が一番高い。同列に考えず、コスト感覚を持つことが重要です。プロジェクトマネジメントに投資しましょう。自分とチームメンバーの時間の使い方に責任を持つことが一番大切なのですから。

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