dare,double dare, triple dog dare

アウトプットエコノミーのカウンターとしてプロセスエコノミーの概念が提唱されています。時代背景もあって注目を浴びていますが、プロセス自体に価値があり、人々を魅了すること自体は昔からある事でした。

私自身も10代の頃、好きなアーティストのメイキングプロセス、、、例えばレディオヘッドの新作制作の様子を拙い英語を使って、夢中になって読み漁っていたのを今でも覚えています。曲のアイディアからスケッチ、アプローチ、メンバー間のコミュニケーションから使用している機材のディテールまで、全てにワクワクしました。全体のコンセプトや方向性、バンドのアティテュードに共感し、プロセスを追い続けたのは私だけではないはずです。当時はアウトプットされた作品、そしてライブやグッズに課金していたわけですが、実際はそれ以前にお金を支払っていたような感覚はありました。

結局プロセスエコノミーというのは最近名付けられたマーケティング/プロダクトデリバリーの手法のひとつであって、本質は、、、

その景色やその達成を一緒に見てみたい

という純粋な動機なだけだと思います。そう、ティーンエイジャーの頃の私のように。プロセスに価値があることは昔からわかっていたことですから。

ではなぜ、プロセスには価値があるのでしょうか。プロセスには物語性があります。アウトプットされた完成された美も良いけど、不完全な揺らぎや余白にこそストーリーは宿ります。そして、リアリティもあります。削ぎ落とされたアウトプットにはない余計なもの。その灰汁にこそリアリティは息づきます。そして何よりドラマ性を孕みます。葛藤や苦悩、失敗や衝突があってこそ、ダイナミズムが生まれドラマチックになる。だからこそ、私たちはいつだってプロセスに惹きつけられるのです。

今年からORIGAMI社と始めたメンバーシップサービスCattleyaにもプロセスエコノミーのエッセンスは組み込まれています。クライアントワーク/クリエイティブワークの現場をライブ中継。周りからの要望や声を形にしたという理由もありますが、何より私自身メイキングの課程の価値体験があったから。

目に見えているものは氷山の一角。多くの屍の上に世界が成立しているとしたら、そこに至る道中にも光を当ててみることは不自然なことではありません。事業生態系において、次のステージに進む鍵はその屍の山の中に眠っているかもしれませんから。

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