独断の微睡みから覚めたが再び眠ったと揶揄されたカントのように、相反する記号を融合することは容易なことではありません。バスケットボール選手とサッカー選手が野球のルールで試合をしているようなものが結婚生活であるという秀逸な表現さながら、世の中はすんなりと割り切れる合理的な事ばかりではないからです。信条も制約も規則も揺れ動き、変わっていくのですから。
経営においても同じことが言えまして、データやロジック、エビデンスが全てという立場における人でも自分の嗅覚、感性に従って判断していくというスタイルの人であっても両方の立場の要素が必要な場面もありますし、これだけでは語れない不条理なことも起きたりもします。
私たちはもちろん両方ともを大切にし、状況に応じて判断をしているわけですが、思考を放棄し、セレンディピティに委ねてしまうこともよくあるので余計に不可解に映るのでしょう。よく分からないと評されながらも投げ出すことはありませんから、こうして社会の一員でいられるのだと思っています。偉大な哲学者カントを引き合いに出して恐縮ですが、不可解さだけでなく諦めの悪さもや偏屈さもカントのようなのかもしれません。この諦めの悪さ、、、とことんまで信じる姿勢、態度の源泉が組織のコアとして据わっているのでしょう。
どんな商品、サービスを開発し展開するときでも顧客を惹きつける本質はここにあると考えています。マーケティングにおけるリードマグネットで考えてもわかりやすいかと思います。リード(見込み客)を引き寄せるマグネット(磁石)ですから、形はどうあれ強力な磁石でないといけません。もうひとつ、磁石ですからただ引き寄せるだけでなく、弾かないともいけません。イメージとしてはたくさんの群れの中にポンっと投げ入れて、逃げていく人と引き寄せられる人ではっきりと別れるものがリードマグネットなのです。
本、CD、DVD、PDFレポート、オーディオブック、ウェビナー、イベントチケット、アプリケーション、ツール、チェックリスト、事例集、ゲーム、無料相談、クイズ、無料サンプル、対談動画、ブランドブック、カタログ、試供品、マンガ、カレンダー、テンプレート、e-book、ホワイトペーパー、台本、セッション、ワーク、ガイドブック、診断、クーポン、ライブチャット、座談会、絵葉書、パンフレット、コミュニティ、アニメ、スワイプファイル、セミナー資料、ライブセミナー、動画コンテンツ、テンプレート、ポスター、Facebookグループ、小冊子、ビデオコース、インフォグラフィクス、メール講座、テスト、、、などなど形は何でも良いのです。大事なのはマグネットとして機能しているのかということ。主観的でもあり、客観的でもある、経験的でもあり、観念的でもある、相反するものを高い次元で止揚してこそ強力な磁場が出来上がると思うのです。