Get round in the season

事業戦略において、商品やサービスを見直したい。商品開発をする際に、商品同士の関係性、繋がりをどう設計したらいいのかという相談を受けました。

自分の商品へ思い入れがあって、こだわりを持ち、商品作りを徹底する。

「これは他のどこにもない、すごい商品なんですよ」

みたいな熱心に語るもののどう売っていいかわからない。どうアピールしたらいいかわからない。社会とどうコミュニケーションをどう取ったらいいか困っている事業主は案外多くいっらしゃいます。職人気質とでもいいますか、良いものを作って届けたい想いがあって一生懸命商品を作る。だけど売れない、評価されないのはどうしてだろう、、、よくある話です。

どんなに良い物を作ったとしてもただ商品棚に陳列しているだけで売れたり、望んだような評価を受けたり、思い描いていた成果に繋がるということはなかなかありません(良いの定義や置かれた文脈にもよりますが)。

お客さんに届くまでのデリバリーはもちろんのこと、認知から適切なコミュニケーション、UI/UXまで含めてデザインする大切さはありますが、商品やサービスそのものがマーケティングやセールスと密接に関わっていることは私がいうまでもなくよくご存知だとは思います。ここでいう「商品・サービス」というのは中身だけでなくネーミングやプライシング、コンセプトも含みます。

冒頭の相談。どうラインナップを整えるのか、どう商品と商品を配置するのか、商品同士のつながりをどうするのかというのは大事な視点で、業界の癖や慣習、文化、時代背景にもよりますがいくつかのセオリー、パターンがあるのは事実です。なんとなく感覚でうまくやってきた経営者もたくさんいますが、行動経済学や脳科学、心理学などアカデミックな観点から人間はどう認知し、行動するのかということが明らかになってきました。

ここでは難しい話をせずに、私たちがいつも心がけている3つのことをシェアしましょう。

商品開発や設計を担当するとき、また相談されるときにまず意識しているのは「意味性」です。その商品やサービスが持つ意味、つながりの意味、社会や時代においての意味。どのような意味があるのかを吟味します。2つ目は「必要性」です。どんな意味があるのかと関連してはいますがどんな必要があるのか。会社にとって必要なのか、お客さんに必要とされているのかもそうですが、社会にとっての必要性もよく見定めます。今を生きる社会はもちろんのこと、これからの社会にとってもどんな必要性があるのかをチェックしてみましょう。最後3つ目は「発熱性」です。その商品・サービスに熱はあるのか、手が離れても熱を発し続けるか、事業主のメッセージとなって顧客に熱が伝播するかどうかを考察します。魂のこもった商品・サービスは熱が残って発熱し続けています。なんとなく作りました、というのは一目でわかるものです。それは発熱していないから。発熱性があるかどうかは大切な指標ですので必ず確認します。

これら3つの視点がひとつの指標としているものです。

商品同士の連なり、配置なども大切ですが、まずはその商品・サービスそのものの存在価値を精査します。企画が通って、開発・実装段階でやはり下げた方がいいというケースもよくあるのは大体この3つが欠けていることが多いように思います。逆に言えばアイディアから実装まで早いもの、そして世に出してからも受け入れられて支持され続けられるものはこの3つを高い基準でクリアしているように思います。商品形態や中身そのものも大切ですがこの3つの観点から精査するとより商品作り・サービス開発がブラッシュされていくように思います。

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