to fit 2020

企業努力。なぜ、私たち個人のみならず、企業も努力をしなければならないのでしょうか。頑張らないといけないのでしょうか。本当に新しいチャレンジが必要なのでしょうか。

努力が必要なのは、この世が矛盾と葛藤でできているからです。抽象世界にある理想。そして目の前に広がる現実。そこに矛盾と葛藤が生まれます。残念ながら矛盾と葛藤を解消してくれるものはこの世に存在しません。弁証法的に世界は進まないのです。こちらの記事で取り上げたリップマンの三角関係のように。

現実の矛盾と葛藤を解消させ、理想世界に近づけることを努力と呼びます。現実を変えていく不自然な行為。そう、努力はとても不自然なことなのです。自分の内側と外側の世界の対話ともいえるでしょう。

世界との対話を邪魔するもの。それは、恐怖です。本質的に「自分」の外の世界に恐怖を抱き、できれば関わりたくない。本当は引き篭もってゆっくりしていたいもの。だけど、自分の壁に気づいてしまった。自分が抱えている壁が見えてしまった。限界を知ること、、、つまり無知の知を得ることで世界との対話が始まります。

留学しても英語ができない人がいるように、語学学校に通っても習得できない人がいるように、どんなに環境を変えても自分が変わらないのは自分の精神が邪魔しているからです。自分の内側で渦巻く記号に支配されているからです。

今、この瞬間にも現実世界の記号は書き換えられています。自分の内側に渦巻く記号とは裏腹に。Artとは適合させるto fitという意味だったそうです。内側に渦巻く記号と外側の記号の調和の美を目指すことが本来的なアートなのでしょう。経営において、アートは必須の時代になってきましたから、調和の美を目指していくことが企業努力の本質かもしれません。

2020年は私たちにとって大切な一年となりました。日々、書き換えられる記号を軽やかに運用していくこと。自分たちを知り、世界を洞察し、目の前のことを丁寧に観察していく。そして、理想に近づけていく“努力”をしていくこと。

今年1年、ありがとうございました。

2021年もどうぞよろしくお願い致します。

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